一人暮らしをやめて実家に帰るときの費用は、引っ越し費用や退去時の精算、不用品の処分などを含めて3万円〜10万円以上が目安です。
繁忙期の引っ越しや大型家具・家電の処分が重なるとさらに出費がかさみますが、その後は家賃や光熱費、食費の負担が大幅に減り、毎月約8万円、年間で100万円近くの節約になることもあります。
この記事では、実家に戻るときにかかる費用の内訳、節約のコツ、メリットとデメリットまで詳しく解説します。実家に帰ることを考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
一人暮らしをやめて実家に帰るときの費用内訳を徹底解説
一人暮らしをやめて実家に帰るときの費用内訳を徹底解説します。
それぞれの費用を詳しく見ていきましょう。
①引っ越し費用の相場
一人暮らしから実家へ戻るときにもっとも大きな出費となるのが、引っ越し業者に依頼する費用です。
単身者の場合、近距離であれば3万円〜6万円程度が相場とされています。中距離であれば5万円〜8万円、長距離になると7万円〜10万円以上かかるケースも少なくありません。
特に注意すべきなのは、引っ越しシーズンとされる3月や4月の繁忙期です。この時期は通常期の1.5倍以上に料金が跳ね上がることがあり、例えば通常期なら3万5千円で済む距離でも、6万〜7万円に膨れ上がる可能性があります。
また、荷物量によっても料金は変動します。家具・家電をほとんど持ち帰らず、段ボール数箱だけなら宅配便サービスを使って1万円以下に抑えることも可能です。一方で、ベッドや冷蔵庫、洗濯機などをすべて運ぶ場合には、業者の作業員数が増えたり、大型トラックを手配する必要が出てくるため、料金が一気に上がります。
さらに、業者によっては「時間指定」や「階段作業」の有無で追加費用が発生する点も見逃せません。エレベーターのないマンションで5階からの搬出をお願いする場合、1万円程度の追加費用がかかるケースもあります。
節約するためには、まず複数の引っ越し業者から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較することが重要です。また、引っ越し日時を業者に一任する「フリー便」を選ぶと、通常より1〜2万円安くなることもあります。
引っ越し費用は固定されたものではなく、工夫次第で大きく削減できる部分です。そのため、できるだけ早めに計画を立て、費用を抑えつつスムーズに実家へ戻れるように準備していきましょう。
②家賃・光熱費の精算
一人暮らしをやめる際に忘れてはいけないのが、家賃や光熱費の精算です。
まず、賃貸物件を退去するときには、基本的に1ヶ月前までに大家や管理会社へ退去の連絡を入れる必要があります。そのため、連絡が遅れると、住んでいなくても翌月分の家賃が発生してしまう可能性があります。
光熱費については、電気・ガス・水道の各会社に解約の連絡を入れ、最終使用分の料金を清算する流れになります。特にガスは立ち会いが必要な場合が多いため、引っ越し直前の日程に余裕を持って予約しておくことが大切です。
また、インターネットやNHK受信料などの契約も、使用しなくなるタイミングで解約する必要があります。インターネットは契約更新月以外での解約だと違約金が発生する場合もあるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。
一見小さな出費に思えるかもしれませんが、これらを怠ると「二重払い」や「無駄な支払い」が発生し、余計な出費につながってしまいます。実家に戻る際には、家賃や光熱費、通信費などの精算をしっかり整理することが不可欠です。
③家具・家電の処分や運搬費用
一人暮らしで使っていた家具や家電をどうするかも、大きな課題です。
まず、不要になったものを処分する場合には、自治体の粗大ごみ回収を利用できます。処分費用は品目によって異なりますが、1点あたり300円〜2,000円程度が一般的です。ただし、大型の家具や家電は収集日が限られているため、引っ越し日までに間に合わないこともあります。
冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンといった家電は「家電リサイクル法」の対象となっており、処分にはリサイクル料金（1,000円〜5,000円程度）が必要です。さらに、収集運搬料金が別途かかることもあります。
節約する方法としては、フリマアプリやリサイクルショップを活用するのが有効です。状態が良ければ買い取ってもらえる可能性があり、処分費用がかからないどころか現金収入に変わるケースもあります。
また、実家で引き続き使えるものは運搬して持ち帰る選択肢もありますが、その分引っ越し費用が高くなるため、必要かどうかをよく検討することが大切です。
家具や家電の処分・運搬は、見落としがちな出費の一つですが、計画的に動くことで大きな負担を避けることができます。
④敷金・礼金・退去時清掃費
一人暮らしをやめて実家に帰るときに、意外と忘れがちなのが「敷金・礼金・退去時清掃費」の精算です。
まず敷金についてですが、これは入居時に預けていた保証金のようなもので、原則として退去時に返還されることになっています。ただし、部屋の原状回復費用やクリーニング代が差し引かれるのが一般的です。そのため、全額戻ってくるケースは少なく、実際には一部返金、あるいはゼロの場合もあります。
退去時清掃費は、契約書に明記されていることが多く、1万円〜3万円程度が相場です。例えば「ハウスクリーニング代として一律2万円」という形で契約時に取り決められている場合もあります。入居時に契約内容をしっかり確認しておかないと、退去時に思わぬ出費となる可能性があります。
礼金については、そもそも返還されない費用なので、退去時に返ってくることはありません。つまり、実際の退去時に関わるのは「敷金の一部返還」か「精算時の追加請求」のどちらか、ということになります。
また、壁紙の張り替えや床の傷など、通常の使用による劣化（経年劣化）は借主の負担にはなりませんが、過失による損傷や過度な汚れは修繕費を請求される可能性があります。例えば、ペットを飼っていた場合や、タバコによるヤニ汚れがひどい場合などは、追加で数万円〜十数万円の負担を求められることもあるので要注意です。
実家に戻る準備を進める際には、大家さんや管理会社に退去の旨を伝えると同時に、「清算の内訳」「ハウスクリーニング代の有無」「敷金の返還額」などを必ず確認しておくことが安心につながります。
⑤インターネットや契約の解約費用
もう一つ見落とされがちな費用が、インターネットやその他の契約に伴う解約費用です。
特にインターネット回線は、契約更新月以外に解約すると「違約金」が発生するケースがあります。金額は5,000円〜15,000円程度が一般的で、さらに工事費の残債があれば、それも一括請求される可能性があります。
また、Wi-Fiルーターをレンタルしていた場合は返却が必要で、返却が遅れると追加料金が発生することもあります。返却方法や期限は契約会社によって異なるため、必ず確認しておきましょう。
インターネット以外にも、新聞や定期購読サービス、ジムや習い事などの月額契約があれば、それらも忘れずに解約する必要があります。特にジムなどは「1ヶ月前に申告しなければ翌月分も発生する」といったルールがあるため、早めの対応が必要です。
一見すると数千円〜1万円程度の出費に感じるかもしれませんが、複数の契約が重なれば、最終的に数万円の負担になることもあります。実家に戻る準備を始めた段階で「契約一覧リスト」を作成し、一つずつ解約のタイミングを確認していくことが、無駄な出費を防ぐコツです。
以上が、一人暮らしをやめて実家に帰るときに必要となる主な費用内訳です。引っ越し費用、家賃精算、家具・家電の処分、敷金精算、契約の解約費用と、複数の項目があるため、合計すると3万円〜10万円以上かかるのが一般的です。
実家に帰るとどのくらい節約できるのか
実家に帰るとどのくらい節約できるのかを解説します。
実際にどれくらいの支出を減らせるのかを一つずつ見ていきましょう。
①家賃ゼロのインパクト
実家に帰ることでもっとも大きな節約となるのは「家賃がゼロになること」です。
一人暮らしをしていると、都市部であれば月6万〜8万円、地方でも3万〜5万円程度の家賃が必要になります。この固定費がなくなるだけで、生活全体に与える影響は非常に大きいです。
例えば、東京23区内で7万円の賃貸に住んでいた場合、年間84万円の支出が丸ごと消える計算になります。これは単純に「年収が84万円上がった」のと同じ効果があるとも言えます。
さらに家賃は単なる毎月の支出にとどまらず、更新料や管理費などの追加出費も伴います。更新料は家賃1ヶ月分にあたることが多いため、2年ごとに数万円〜十数万円の負担が発生します。これらも実家に戻れば不要になります。
こうして考えると、実家に帰ることによる家賃ゼロのインパクトは、日常生活の安心感に直結するほど大きなものです。特に貯金や将来の資金準備を考えている人にとっては、最も分かりやすい経済的メリットだといえるでしょう。
②食費や光熱費の軽減
実家に戻ると、食費や光熱費の負担も大幅に減ります。
一人暮らしの場合、食費は自炊派でも月2万〜3万円、外食やコンビニを利用する人なら月4万〜5万円かかるのが一般的です。これが実家では、基本的に家族とシェアするため、個人で負担する額は大きく下がります。
具体的には、実家暮らしでも「食費や日用品代を少し入れてほしい」と言われるケースが多く、月1万〜2万円程度を家に入れることが一般的です。つまり、一人暮らしのときよりも2万〜3万円は軽減できるという計算になります。
光熱費についても、一人暮らしでは月1万円前後がかかりますが、実家ではその分がほぼ不要となります。もちろん「少しは入れてほしい」と言われる場合もありますが、それでも数千円〜1万円程度に収まることが多いです。
これらを合わせると、毎月3万〜5万円近くの節約につながることになります。食費や光熱費は毎月の支出であるため、積み重なると年間で非常に大きな差となります。
③年間での節約効果
実家に戻ることでどれくらい節約できるのか、年間ベースで計算してみましょう。
| 項目 | 一人暮らし | 実家暮らし | 差額（節約額） |
|---|---|---|---|
| 家賃 | 70,000円 | 0円 | ▲70,000円 |
| 食費 | 40,000円 | 10,000円 | ▲30,000円 |
| 光熱費 | 10,000円 | 5,000円 | ▲5,000円 |
| 合計 | 120,000円 | 15,000円 | ▲105,000円 |
このように試算すると、月に約10万円以上の節約になる可能性があります。年間では120万円近くの差が生まれる計算です。
もちろんこれは一例ですが、実家に戻ることで「年間100万円以上の余裕ができる」というのは決して大げさではありません。実際に多くの人がこの節約効果を理由に実家に戻る決断をしています。
④実家で負担する可能性のある費用
ただし、実家に戻ればすべてがゼロになるわけではありません。一定の費用を家に入れる必要があるケースもあります。
代表的なのは、食費・光熱費・日用品費などの一部を負担することです。月1万〜2万円程度を家計に入れるのが一般的で、地域や家庭の方針によっては3万円以上求められる場合もあります。
また、実家から職場や学校に通う場合、交通費が増える可能性もあります。これまで徒歩や自転車で通っていた人が、電車やバスを使う必要が出てくると、毎月1万円以上の交通費が発生するケースもあります。
さらに、自由に使えるスペースが限られるため、収納の不足を補うためにトランクルームを借りることもあり、その場合は数千円〜1万円程度の出費がかかります。
つまり、実家暮らしには確かに大きな節約効果がありますが、「完全にゼロ出費」ではなく、「最低限の生活費負担」や「通勤通学の交通費」が加わることを考慮しておく必要があります。
一人暮らしをやめて実家に帰るメリット５つ
一人暮らしをやめて実家に帰るメリット５つを紹介します。
一人暮らしから実家に戻ると、経済面だけでなく生活全般にさまざまなメリットが生まれます。
①経済的に安心できる
実家暮らし最大のメリットは「経済的な安心感」です。
一人暮らしでは、家賃・光熱費・食費といった毎月の固定費が大きな負担になります。特に都市部では家賃だけで月7万円前後かかり、食費や光熱費を合わせると月10万円以上になることも珍しくありません。
しかし実家に戻れば、これらの負担が大幅に減少します。家賃ゼロに加え、光熱費や食費も家族とシェアすることで、個人が負担する額はごくわずかになります。
この結果、毎月数万円〜10万円以上の余裕が生まれるため、経済的な不安が軽減され、安心して生活できるようになるのです。
経済的な安定は、生活の質を向上させるだけでなく、心の余裕にもつながります。
②生活の負担が減る
実家暮らしでは、生活の負担が大きく減ります。
一人暮らしでは、掃除・洗濯・料理・買い物など、すべてを自分でこなさなければなりません。これらは意外と時間と労力を奪う作業で、仕事や学業との両立が大変になることも多いです。
しかし実家に戻れば、家事を家族と分担できるため、一人で抱え込む必要がなくなります。特に食事の準備や洗濯を家族がしてくれる場合、大きな時短効果となります。
これによって自由に使える時間が増え、趣味や勉強、仕事のスキルアップにあてられるのも大きな魅力です。
③家族とのつながりが増える
実家に戻ることは、家族とのつながりを再確認するきっかけにもなります。
一人暮らしでは、家族と会う機会は帰省や連休のときに限られるため、日常的な会話や関わりは少なくなりがちです。しかし実家に戻ることで、日常的に顔を合わせてコミュニケーションを取れるようになります。
これは家族にとっても安心材料となり、親世代の高齢化が進む中では「そばにいてくれること」が大きな支えになります。また、兄弟姉妹との関わりや、家族行事に参加しやすくなるといったメリットもあります。
孤独感を感じやすい一人暮らしに比べて、家族とのつながりが増えることで精神的な充実感が得られるのも実家暮らしの魅力です。
④精神的な安心感が得られる
経済的な安定や家族とのつながりに加え、実家に戻ることで「精神的な安心感」も得られます。
一人暮らしでは、病気やケガをしたときに看病してくれる人がいなかったり、孤独感を感じる場面が多くあります。とくに心身が弱っているときは「頼れる人がそばにいない不安」が大きくなります。
実家では、家族がいるというだけで安心感があります。何かあったときにすぐに助けてもらえる環境は、一人暮らしでは得られない大きなメリットです。
また、精神的な支えがあることで、仕事や学業にも前向きに取り組めるようになり、生活全体の質が向上します。
⑤将来に向けて貯金ができる
最後に挙げられるのは「将来に向けた貯金がしやすくなる」点です。
一人暮らしでは、毎月の生活費で精一杯になり、なかなか貯金に回せない人も多いです。しかし実家に戻れば、家賃や食費が大幅に減るため、余ったお金をそのまま貯金に回すことができます。
例えば毎月8万円を節約できれば、年間で96万円。2年間で約200万円という大きな貯蓄が可能になります。これは将来の結婚資金や住宅購入資金、留学や転職準備など、人生の大きなイベントに備えるうえで非常に有効です。
「貯金ができない…」と悩んでいる人にとって、実家に戻ることは現実的かつ効果的な解決策となります。
実家に帰るデメリット４つ
実家に帰るデメリット４つを紹介します。
メリットが多い一方で、実家に戻ることで避けられないデメリットもあります。
①プライバシーが確保しにくい
実家に戻ると、もっとも大きなデメリットとして挙げられるのが「プライバシーの確保が難しい」という点です。
一人暮らしでは、自分の生活空間を完全にコントロールでき、他人に干渉されることはほとんどありません。しかし実家では家族と同じ屋根の下で暮らすため、どうしても生活の一部を共有することになります。
例えば、部屋が狭くて音が筒抜けだったり、生活動線が重なることで気を遣う場面が増えたりします。仕事や趣味のオンライン活動が多い人にとっては、家族の出入りや物音が集中の妨げになることもあります。
さらに、自分の予定や帰宅時間などを把握されやすい点も、自由度が下がったと感じる要因です。親世代から「今日は遅いの？」といった声かけを受けるだけでも、人によってはストレスになることがあります。
②生活リズムの違いでストレス
家族と一緒に暮らす以上、生活リズムの違いは避けられません。
一人暮らしでは、夜型の生活をしても誰に迷惑をかけるわけではありません。しかし実家では、深夜にテレビやゲームをしていると家族の睡眠を妨げることになります。また、朝型の家族と夜型の本人が同居すると、生活のすれ違いから摩擦が生じやすくなります。
さらに、食事の時間や入浴の順番など、家庭内のルールに合わせる必要があるため、自分のペースを優先できなくなるのもデメリットです。
特に社会人の場合、仕事の都合で帰宅が遅くなったり休日出勤があったりすると、家族の理解を得るまでにストレスを感じることもあります。
③自立心や自由度が減る
実家に戻ることで、「自立心が弱くなるのでは？」という懸念もあります。
一人暮らしでは、掃除や洗濯、料理、家計管理などをすべて自分でこなす必要があり、自然と生活力が身につきます。しかし実家では、どうしても家族に任せがちになり、生活スキルを使う機会が減ります。
また、自由に外泊したり友人を招いたりすることも、一人暮らしに比べて制限される場合があります。これは「家族の家」に住む以上、避けられない制約といえるでしょう。
長期間実家に住むことで、再び一人暮らしを始めたときに生活力が落ちていると感じたり、結婚後に家事分担で苦労する可能性もあります。
④恋愛や交友関係に影響が出る
実家暮らしは、恋愛や友人関係にも影響を与えることがあります。
一人暮らしなら自分の部屋に恋人や友人を気軽に招けますが、実家ではそうはいきません。親世代に遠慮して呼びにくかったり、時間帯が限られたりします。
また、外での交際費が増える可能性もあります。家に招けない分、カフェや外食などで過ごす時間が増え、結果的に出費が増えるケースもあります。
さらに、交友関係が広がる20〜30代にとっては、実家暮らしの制約が「人付き合いの幅を狭めてしまう」というデメリットにつながることもあります。
恋愛や交友関係を大切にしたい人にとっては、実家暮らしがデメリットに感じられる場面が多いでしょう。
費用を抑えてスムーズに実家へ帰るコツ
費用を抑えてスムーズに実家へ帰るコツを紹介します。
出費をできるだけ抑えつつ、実家に戻る準備をスムーズに進めるための工夫を紹介します。
①繁忙期を避けて引っ越す
引っ越し費用を大きく左右するのが「引っ越しの時期」です。
特に3月〜4月は進学や就職、転勤が重なるため「繁忙期」と呼ばれ、料金が通常期の1.5倍以上になることがあります。通常なら3万5千円で済む距離でも、繁忙期は6万〜7万円に跳ね上がることも珍しくありません。
そのため、可能であれば繁忙期を避けて引っ越すのが最も効果的な節約術です。5月〜7月、10月〜11月などは比較的落ち着いており、料金も安定しています。
また、同じ月でも「平日」「午前より午後」「フリー便（時間指定なし）」を選ぶと、さらに安くなる可能性があります。
②不用品を現金化する
家具や家電、衣類や雑貨など、一人暮らしで使っていた物の中には「もう使わない」ものが必ず出てきます。
これを単に処分してしまうのではなく、フリマアプリ（メルカリ・ラクマなど）やリサイクルショップを活用して現金化することで、引っ越し費用の足しにできます。
例えば、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電は処分するとリサイクル料が数千円かかりますが、年式が新しければ数千円〜1万円で売れることもあります。ソファやベッドなども状態が良ければ需要があり、買い手がつく可能性があります。
不用品を現金化することで「処分費を払う」どころか「お金を得る」ことができるため、積極的に活用すべき方法です。
③複数社の見積もりを比較する
引っ越し業者に依頼する場合は、必ず複数社から見積もりを取ることが重要です。
同じ条件でも業者によって料金に大きな差が出ることがあり、2万円〜3万円違うことも珍しくありません。また、キャンペーンや割引制度を利用すれば、さらに安く抑えられる可能性があります。
一括見積もりサービスを利用すれば効率的に複数社を比較でき、相場を把握したうえで交渉することも可能になります。「他社ではこれくらいだった」と伝えるだけで、料金が下がることもあります。
安さだけでなく、サービス内容や口コミも参考にして、自分に合った業者を選ぶことが大切です。
④実家にあるものを活用する
引っ越しの荷物を減らすことで、費用を大幅に抑えられます。
例えば、実家にすでに家具や家電が揃っている場合は、自分の持ち物を運ばずに処分したほうが効率的です。ベッドや冷蔵庫などの大型家具は特に運搬コストが高いため、「実家のものを使う」という選択肢をとると引っ越し費用が下がります。
どうしても持ち込みたいものだけを厳選して運ぶことで、段ボール数箱程度に収まり、宅配便で送れるようになれば、費用は数千円にまで抑えられることもあります。
実家の生活環境をあらかじめ確認し、「あるもの」「足りないもの」を把握したうえで荷物整理を進めるのが効率的です。
⑤退去手続きを余裕を持って進める
最後に重要なのは、退去手続きを早めに進めることです。
賃貸物件の場合、退去の連絡は「1ヶ月前まで」が基本です。遅れると翌月分の家賃を余分に支払うことになり、数万円の損につながります。
また、電気・ガス・水道・インターネットなどの解約も早めに手配しておかないと、使っていないのに請求が続く「二重払い」が発生するリスクがあります。
さらに、不用品処分や粗大ごみの収集予約も、自治体によっては1ヶ月以上待たされることがあるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。
スムーズに実家へ戻るには「早めの準備」が最大の節約術であり、余計な出費やトラブルを防ぐための鍵となります。
まとめ｜一人暮らしをやめて実家に帰るときの費用
| 主な費用項目 | ページ内リンク |
|---|---|
| 引っ越し費用の相場 | ①引っ越し費用の相場 |
| 家賃・光熱費の精算 | ②家賃・光熱費の精算 |
| 家具・家電の処分費用 | ③家具・家電の処分や運搬費用 |
| 敷金・清掃費の精算 | ④敷金・礼金・退去時清掃費 |
| インターネット解約費用 | ⑤インターネットや契約の解約費用 |
一人暮らしをやめて実家に帰るときの費用は、引っ越し業者への依頼や不用品処分、敷金や清掃費の精算などを含めて、合計で3万円〜10万円以上かかるのが一般的です。特に繁忙期の引っ越しや大型家具・家電の処分が重なると、さらに高額になることもあります。
しかし一方で、実家に戻ることで家賃や食費、光熱費といった大きな支出を減らすことができ、月に8万〜10万円、年間では100万円以上の節約につながるケースもあります。経済的な安心感だけでなく、精神的な安定や家族とのつながりという点でもメリットがあります。
もちろんプライバシーの確保や生活リズムの違いといったデメリットもあるため、実家に戻るかどうかは生活スタイルや目的に応じて慎重に判断する必要があります。退去の手続きや不用品処分を余裕を持って進め、繁忙期を避けるなど工夫することで、出費を抑えつつスムーズに実家に戻ることが可能です。
経済的にゆとりを持ちたい、将来に向けて貯金を増やしたいと考える方にとって、実家に帰る選択肢は現実的で効果的な方法の一つだといえるでしょう。
